「イマジン」は本来アナーキズムの歌である

う〜ん、書こうかどうしようか悩んだんだけど、書いちゃえ。


トリノ冬季五輪の開会式でオノ・ヨーコのMC・ピーター・ガブリエルの歌で、ジョン・レノン「イマジン」が歌われたわけだが....。


あの歌は、本来、非常にラディカルな、アナーキーな歌なんだよね。ここでいうアナーキーなというのは、セックス・ピストルズ以降に広まった「暴れん坊=アナーキー」というイメージではなく、本来の「無政府主義」という意味でさ。


あの曲は確かに平和への祈りの歌なわけだけど、同時に「世界はいつまでたっても平和にならない、それは国家と宗教があるからだ」っつー歌、つまり今世界で一番デリケートな問題にガチンコで突っ込んでく歌なわけだよね?


それこそ、ムハンマドをちゃかした漫画がけしからんとか、私は君が代歌いませんとか、そういうのと同様の、いやそれ以上のセンセーショナルでスキャンダラスな出来事だったと思うんだけどなぁ。


ニュースやブログを検索すると「感動」「平和への祈り」という感想であふれてるけど、本来は、「うわぁやっちゃったよこのヒト ((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル 」という出来事なのでは、と。


だってさ、イスラム圏の国の選手だったら絶対「アラーのご威光を世界にしろしめすために戦う」つもりで来てる人はいるはずだし、ファンダメンタリズムキリスト教原理主義)がのさばってきてるアメリカだって「主のためにメダル取る」っつう選手いるはずだもんねぇ。


オノ・ヨーコ女史はたぶん、そこらへん確信犯だよね。何しろ世界中を敵に回してもひるまない女性だから。


http://dw.diamond.ne.jp/yukoku_hodan/200405/

オノ・ヨーコは、「9.11」直後に「IMAGINE」が「放送自粛曲」になったときも、ただちに『ニューヨーク・タイムズ』に全面広告を出した。真っ白な紙面の真ん中に「IMAGINE ALL THE PEOPLE LIVING LIFE IN PEACE」とだけ書いてある。鮮やかな手並みだね。 (浅田彰


だから、あの開会式の瞬間、オノ・ヨーコジョン・レノンは、アメリカに勝ったわけよ(笑)。30年戦い続けて、CIAのブラックリストに載ったり国外追放されたりしてきて。


あの時あそこで歌われた「イマジン」は、オノ・ヨーコ女史がセカイに向けて仕掛けた、ウタとコトバによる美しい爆弾みたいなものだったのかも知れないね。