ウィリアム・メレル・ヴォーリズ 恵みの居場所をつくる@汐留ミュージアム

http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/exhibition/09/090404/index.html
http://s01.megalodon.jp/2009-0524-2159-59/panasonic-denko.co.jp/corp/museum/exhibition/09/090404/index.html

(引用)
アメリカ・カンザス州に生を受け、1905(明治38)年に来日したヴォーリズは2年間、滋賀県立商業学校(現在の滋賀県立八幡商業高等学校)で英語講師を務め、その後も近江八幡の地にとどまって、幅広い活動を繰り広げました。建築事務所や現在の近江兄弟社へとつながる事業を立ち上げ、建築家や実業家として活躍する一方、地道で熱心な伝道活動を続けました。また彼は軽井沢にも拠点をもち、毎夏、避暑に訪れる外国人宣教師らと交流して人脈を拡げ、全国各地に数多くの名作建築を遺しました。ミッションスクールや教会、商業施設から個人住宅まで多岐にわたるヴォーリズ作品は、いずれもそこに集う人々への深い思いやりにあふれています。

一粒社ヴォーリズ建築事務所
http://www.vories.co.jp/
http://www.vories.co.jp/vories/
http://www.vories.co.jp/work/


いやぁ、いいなぁ。これらの建築物を見て感じる多幸感はなんだ。会場ではヴォリーズ自身が使用した軽井沢の別荘が再現されており、これがまたこじんまりとしていて、とても居心地がいい。ただ、置いてある椅子などに「座らないでください」という断り書きがある野暮さはどうかと思う。


NHK日曜美術館』「建物の品格 建築家ヴォーリズの“愛される洋館”」
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0524/index.html
今日、もう放送終わっちゃったけど、来週日曜の朝に再放送予定。


詳しく紹介されているかたのブログ:
汐留ミュージアムで「ウイリアム・メレル・ヴォーリズ」展を観た! - とんとん・にっき
http://ameblo.jp/tonton3/entry-10247278810.html

このポスター、チラシに使われている図書館を見よ。以下は、その神戸女学院の教授である内田樹のエッセイ。俺がとやかく言うよりもここら辺を読んでもらったほうが、ヴォーリズの建築がどのようなものであったか遥かによく理解できるというものだろう。
http://blog.tatsuru.com/archives/001419.php
http://blog.tatsuru.com/archives/001764.php
http://blog.tatsuru.com/2007/03/04_1026.php
http://blog.tatsuru.com/2008/01/23_1249.php

(引用)
本学の建築物のうち、さきの震災でびくともしなかったのは昭和初年に建築された建物である。

70年代に某ゼネコンが設計施工した建物はよれよれに歪んでしまった(私はいまジャッキアップして歪みを直したその「よれよれ」ビルの中で執務している)。
もちろんゼネコンの作った建物も建築基準法にはかなっていた。
だが、「60年に一度の震災」に耐えるほどの強度はなかった。

震災後、設計図を見比べてみたら、昭和初年にヴォーリズが設計した建物は地下の基礎が建築基準法の要求する数値の3倍の深さに達していた。
「見えないところ」に、建築後60年後の「顔をあわせる機会もないクライアント」のために、十分な気配りをすること。
そのような「強い想像力」をもちうることを「クラフトマンシップ」と言うのだと私は思う。

震災以前、本学に来てこの校舎を値踏みしたS和総研の調査員はこの建物を「ゼロ査定」した。
よれよれのビルを建てたゼネコンの社員やこの総研の調査員に顕著なのは「技術者のエートス」というものに対する敬意の欠如である。
クラフトマンシップというのは、本来「コスト」や「四半期決算」や「株価」とはかかわりのない次元のものである。
むしろ、それに対立するものである。

(引用)
(前略)
それゆえ、すぐれた大学は構造的に「謎」がしつらえてある。
例えば、本学のヴォーリズの作った建物の場合、ある教室から別の教室に行くために必ず複数の経路が用意してある。
直線最短の誰が見てもわかる最適路というのはない。
「パイプオルガンが聴ける線」、「冷たい大理石の床の上を歩く線」、「桜の下を通る線」、「泉水の横を通る線」など複数のオプションからたぶん「そのときの気分でいちばん歩きたい線」を通行者に選択させるようにつくってある。
だから、四季の変化や温度湿度や本人の体調などで、最適動線は変わる(少なくとも私は変わる)。
自分にとって「最も快適な環境」を感知させるように、建物そのものが「問い」のかたちに構造化されているのである。


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