今年は日本の電子音楽がアツい!
2002/3年 リュック・フェラーリ
2005年 シュトックハウゼン
2008年 スティーヴ・ライヒ
そして今年は、日本の電子音楽がアツい!
■『日本の電子音楽 増補改訂版』
まずはコレ。必読書だろう。というか、はっきり言って日本の音楽書ではエポックメイキングな“事件”だ。
日本の電子音楽(初版)
- 作者: 川崎弘二,大谷能生
- 出版社/メーカー: 愛育社
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 単行本
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日本の電子音楽(増補改訂版)
- 作者: 川崎弘二
- 出版社/メーカー: 愛育社
- 発売日: 2009/03/01
- メディア: 単行本
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『日本の電子音楽・増補改訂版』 いよいよ発売! - 愛育社ブログ
http://aiikusha.exblog.jp/8149123/
2006年、在野の一研究家がほぼ一人で、電子音楽の開拓者たちの歴史的証言、そして目も眩む程の厖大な資料を一冊にまとめ上げた「日本の電子音楽」。
630頁以上にも及ぶその怪著は、各方面に驚愕と称賛をもって迎えられた。
あれから3年…。
気鋭の論客5名(大谷能生、石塚潤一、鈴木治行、野々村禎彦、金澤一志)による論文、延べ24名に及ぶ作曲家へのインタビュー(総計41名)を追加し、全面的な改稿、新発見のデータを加えて約500頁を増補した
「日本の電子音楽」の決定版!
初版 全640ページ ¥3,800.-(税込¥3,990.-)
↓
改訂版全1,115ページ(!)¥4,300.-(税込¥4,515.-)
増ページ1ページあたり約1円だっ!…ってこれは冗談ですが。それでもやはり、専門書で1000ページ超でこのネダンは安い。「でもGW後でやっぱ今手元が…」というお金のない学生さんは、学校のでも地元のでもいいから図書館にリクエストすべき。
いや凄いよなぁ。脱帽、感服つかまつった、としか言いようがない。
■「日本の電子音楽 増補改訂版」出版記念イベント
さて、もう明日だが、その『日本の電子音楽』の執筆者、id:J-Ishizukaこと石塚潤一氏が、貴重な音源を大音量でかけるというDJナイト(笑)が。
武蔵小金井アートランド
http://www.freespace-artland.com/
mixi告知(要アカウント)
http://mixi.jp/view_event.pl?id=41929956&comment_count=3&comm_id=15155
こんにちは、よねもとと申します。私は武蔵小金井のアートランドで、隔月のイベント企画をしているのですが、次回5月7日に、3月に出版された『日本の電子音楽 増補改訂版』の関連イベントを行うことになりました。ゲストに、同署に論文を執筆されている音楽評論家の石塚潤一氏をお迎えして、レクチャーをしていただく予定です。たいへん興味深いイベントになると思います。是非ご参加ください。
(中略)
日時:5月7日(木)開場19:30開演20:00
料金:1000円+ドリンク代
場所:武蔵小金井アートランドhttp://www.freespace-artland.com/
〒184-0004 東京都小金井市本町1・16・6 小金井マンション1B
TEL&FAX 042-383-6155
(JR武蔵小金井駅南口を下車、モスバーガーのある線路沿いの道を新宿方面に戻り、鳥居を超えたらすぐの、道の右手、一階が居酒屋の白い建物の地下。駅から徒歩数分。)
「聖と俗」と私の日常 −石塚潤一の雑記帖−
http://d.hatena.ne.jp/J-Ishizuka/20090501/1241236459
○基本的には音源を聴きつつ、1950年代から60年代を中心とした日本の電子音楽に、順繰り触れていくような感じです。もちろん、湯浅譲二はそうした中で最も優れた仕事を成し遂げた作曲家ですから、スピーカーとアンプを持ち込んで、湯浅譲二の「イコン」を爆音でかけるくらいのことは致します。
○スピーカーは4本持ち込むつもりなので、クセナキスの「ヒビキ・ハナ・マ」とシュトックハウゼンの「グルッペン」については、マルチチャンネルでの再生も試みます。 (強調筆者)
■坂本龍一 selection 「日本の電子音楽」
<東京の夏>音楽祭
http://www.arion-edo.org/tsf/2009/program/m02/
1950〜60年代、電子音楽黎明期から大阪万博までの傑作を一挙上演。選曲は坂本龍一。
夜の部は、佐藤聰明の豊饒な音霊(おとだま)の世界
1950〜60年代、電子音という新しい素材を手に、驚くべき壮大な音響世界を作り出していった日本の作曲家たち 柴田南雄、黛敏郎、湯浅譲二、武満徹、一柳慧…。電子音楽黎明期の、いまなお斬新な作品の数々を、ライヴ空間で体感する。
1950年代の日本の音楽界に、「電子音」という全く新しい技術がもたらされた。当時、欧米も日本も大きな時差なく同じスタートラインに立つ技術だっただけに、欧米に追随することなく日本独自の発展を遂げることができたのだった。日本を代表する作曲家たちがこぞって試みた未知の音響の創造は、現在のエレクトロニック・ミュージック・シーンから、クラブ・カルチャー、そしてJ−popにまで、広く影響を与えている。そのあくなき探究心と底知れぬ実験精神に、現代の聴衆も圧倒されるに違いない。
俺は最近の坂本キョージュの活動にはあまり興味無いのだが*1、これはいい仕事。
アートランド/<東京の夏>のどちらも、なかなか聴く機会のない日本の歴史的な電子音楽を、よいPAで大音量で聴く機会など、今後もう無いかも知れない。ちょっと変わった音楽を聴いている・演奏している若者よ、これはマストだ!エフェクターいっぱい繋いでるお兄さんやカオスパッド擦ってるお姉さんもぜひぜひ。