私は耳が遠い。

何を隠そう、俺は実はけっこう耳が遠いのだ。


女房と話していて、言われたことを何度も聞き返して怒られる、なんてのは日常茶飯事だ。あとはテキトーに生返事しておいたら全然覚えてなくてすげー怒られるとか。


特に、酒が入ると聴取能力がガタンと落ちるのである。仕事の宴席では、話し相手が何言ってるか実はよく分からなかったけど愛想良くヘラヘラ生返事していることも多い。


だからライヴ前の飲酒は禁物なのだが、ついつい呑んでしまうことも多い(ごめんなさい、でも仕事終えた後でストレス溜まってる時なんかはつい、ね)。


これでよく職場でクレーム処理係みたいな業務をやってられるもんだなと自分でも感心する(もちろん電話の受話音量はMAXにしてメモ常備、片っ端から書き取り)。自分で自分を褒めてやりたい。


ただ、一度、きちんと「周波数」単位で数値としてどんだけまでなら聴こえてどこから上が聴こえないのか、測ってみたいとは思っていた。耳鼻咽喉科とかで。


んで、ネットを徘徊して見つけたのがこのフリーウェア。


masudayoshihiro.jp
http://masudayoshihiro.jp/
可聴周波数域チェッカ
http://masudayoshihiro.jp/software/mamimi.php
どこまで高い音が聞こえるかをテストできるソフト「可聴周波数域チェッカ」 - 窓の杜
http://www.forest.impress.co.jp/article/2006/07/24/mimichecker.html


こういうのを探してたんですよ。早速試してみた。


俺のテスト環境は下記の通り:

  • PC:Dell Dimension 4500C
  • サウンドディヴァイス:SoundMAX Digital Audio
  • その他環境はDellのデフォルトのまま
  • イヤフォン:部屋のそこらへんに転がってたヤツ(何に付いてたのかは忘れた)
  • Windowsの音量はスライダーをちょうど真ん中にした状態
  • 土曜日の午前中
  • マンション自室
  • 上下階の部屋で掃除機などかけていない状態
  • 当然、TVなどはつけずに

テスト結果(音量設定と周波数):

  • 30% 14350Hz
  • 50% 14600Hz
  • 70% 14670Hz
  • 90% 14760Hz
  • 100% 14790Hz


orz


おいおい、俺、15KHz行かないのかよ。


まぁ、素性の知れないイヤフォンで本当に20KHz近くまで出てんのか、ホントはケーブルが断線しかかってて高域出てないんじゃないか(笑)とか色々考えられるし、スピーカーやヘッドフォンなど条件を変えてみないと何とも早急な結論は出せない、素人判断は危険だろうが…。


実際、日常生活で聞こえづらいんだから、今の俺の耳の性能がそんなに良くないのは確実なのだろう。


つまり、だ。


実験音楽や前衛音楽やサウンドアートが好きなどと言ってはいても、サイン波とか使ってる人の演奏のかなりの部分を俺は聴けてない、ということになる。


だから俺が例えば、Sachiko-Mの演奏で「無音の状態がしばらく続き…」というレビューを書いても、実は、そこでは15KHz以上の音がガンガン出ていた可能性があるのである。


以前、LooplineでSachiko-Mの演奏をAnalogicのビジュアルシステムに通して可視化する、というライブを観た時、俺は全然聴こえないのに映像がけっこう動いていてショックを受けたことがあるのだが、こんなに悪いとはなぁ…。とほほほほ。


それで、ふと思うのだが。


世の中には、「ピュア・オーディオ」とか「高級オーディオ」という道楽趣味の分野がある。


このジャンルの諸先輩は、皆さん、外車くらいの価格ターンテーブルとかアンプとかスピーカーとか、1メートル何万円もする銀のケーブルとか、ニセ科学まがいの怪しげな表面処理を施した機材を揃えていらしたりする。


はたまた、ご自宅を物凄く改造したり、リスニングルームを入れることを前提としてご自宅を設計・施工されたりしている。


これらのお金持ち紳士たちが「マッキントッシュ」と口にしている時は、リンゴのマークのパソコンのことじゃないから気をつけろ!


で、これら諸先輩の皆様なのだが、功なり名を遂げた皆様であるからにして、皆さんもうおぢいさんかなりのご高齢であろうと拝察する。


こういう趣味の諸先輩方は、ご自分の加齢に伴う聴力の衰えと、どう折り合いをつけていらっしゃるのだろうか。


「音楽は数字で測れるものじゃない!」まぁおっしゃることはごもっとも。そういうことは百も承知のうえで、どんなもんなんでしょうかね。

  • 自分の耳では確認できないがオシロスコープなどで検出してる  のか。
  • 「眼をつぶってる」のか:眼をつぶって音楽を聴くのと同様に、そういうことからは文字通り眼(耳?)をそむけてる  のか。
  • 信念(信仰?)に基づいたシステム構成なのでこれがベストに決まっていると信じている   のか。
  • 確かにそういう一面は否定できないがメーカーさんとの兼ね合いで明言できるわけないだろ!空気読め!   なのか
  • 年齢に関係なく耳を磨くヨガの秘法を会得しているから大丈夫   なのか
  • 聴覚神経を外科手術でクライオ処理してみましたところ、これが驚きの効果が!!   なのか。

マジな話、貶すつもりも煽るつもりもなく、皆さんどう折り合いをつけていらっしゃるのでしょうか、ご自分の加齢に伴う聴力の減衰に対して。


「いやぁ、ヴィンテージのワインみたいなもんで、年とると耳もマロヤカになってくるもんなんですよ(笑)」(いきつけのさる飲み屋での年長のかたのお言葉)


おぅ、それは素敵な。そういう割り切りが一番健康的なのかも知れませんが(笑)


参考サイト:
高級オーディオ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%B4%9A%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA
オーディオマニア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2
レコード演奏家(笑) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E6%BC%94%E5%A5%8F%E5%AE%B6


オーディオ評論家評論
http://www2.famille.ne.jp/~itoh/hyoron.html
日本でWebが利用可能になった初期の頃お世話になった「elephant talk about audio(http://www2.famille.ne.jp/~itoh/index2.html)」のいとうさんによる「オーディオ評論家」批評。


そういえばだいぶ前に、超久しぶり(もしかしたら20世紀以来だったかも知れない!!)に「レコ芸」か「スイングジャーナル」を立ち読みしたら、「おかっぱ頭」のオーディオ評論家石田善之先生が、その髪形のまま総白髪になってたのには驚き&ちょっと笑ってしまった。