MOTアニュアル2006@@現代美術東京都現代美術館


同じチケットで両方入れるので、重力倍増スーツ着る前にこちらも観てきた。


MOTアニュアル2006 No Border - 「日本画」から/「日本画」へ
http://www.mot-art-museum.jp/kikaku/2/

そして現在、現代美術―日本画、洋画―日本画という対立的な考え方を崩すような新たな世代が現れ、「日本画」という定義そのものに、もはや意味がなくなってしまったようです。
本展は、こうした状況をふまえながら、それでもあえて日本画を描き、あるいは日本的な表現に挑む30代の若手作家たち

篠塚聖哉、天明屋尚、長沢明、町田久美、松井冬子、三瀬夏之介、吉田有紀

による「ニホン画」の“今”を展覧します。


このタイトル観ると自動的にアタマの中でミスチルの歌とカップヌードルのCMが流れ始めちゃうね(笑)。それを抜きにしてもこのタイトル、いかがなものか。いまさらコンテンポラリーアートの企画タイトルに "No Border" もねぇだろ、と思うのだが....。


取り上げられてるのは、だいたい去年のBTの日本画特集に載ってる人たち。


BT(美術手帖)2005/04/17発売号 特集:日本画ってなんだろう?
http://www.fujisan.co.jp/Product/2196/b/59412/


いやぁ、凄い上手いなみんな。テクニック的にはとにかく素晴らしいものがある。それだけでも一見の価値あり。上野の森の美術館でヲバサマ軍団に揉まれながら浮世絵観るくらいならこっち観ろ、って感じ。


...ただ俺、ここ数年、絵でも音楽でも、超絶技巧系にあんまり惹かれないというか...ヴィルトゥオーゾ的な表現って、今マイブームじゃないのね(いや、偉そうにするつもりは全く無いんだけど(汗))。音楽だと、プログレとか速弾き系のジャズとか「まぼろしの世界」人脈のライブにはご無沙汰してしまっているし。ここ数年は、表現手法自体はシンプルで、結果がアーティスト自身でも全てコントロールしきれてないような表現に惹かれている。


今回の展覧会で一番好みにあったのは:


篠塚聖哉 
http://www016.upp.so-net.ne.jp/snails-pace/
http://www.kgs-tokyo.jp/interview/2005/050524c/0524c.htm

この人はWebページを見ると、2002年ごろまではインスタレーションをやってた人のようだ。今回MOTに出てるのは2005年制作のタブロー作品。


凄い気に入った。こういう、具象と抽象の狭間にあるような表現にいま一番惹かれる。離れて観るのと近づいて観るのと様相が変わって面白い。画面とあんまり関係ないヘンなタイトルがついてるのも良い(笑)


三瀬夏之介
http://rashin.drawing.jp/ex/2005/0627/
http://www3.kcn.ne.jp/~mohnishi/between/in.htm
http://blog.livedoor.jp/kikei1973/

このひとも過去にはインスタレーションとかやってた人みたいだ。


このワケの分からない闇雲なパワーが好き。巨大なパノラマ。隙間無くびっしりと描き込まれたドローイングとコラージュが、二重三重に重なり合って騙し絵のようになってる。なんか、70年代後半の大友克洋とか泉谷しげるの絵(昔は非常にロックでヴァイオレントな、サイバーパンクを予見するようなイラストを描いてたんだよ、知ってた?)を思い起こさせた。