8/16 レアンドル/斎藤/澤井/ラーナー@六本木 Super Delux
引き続き翌日のSuper Deluxにも行ってきた。
- ジョエル・レアンドル(Contrabass)
- 斎藤徹(Contrabass)
- 沢井一恵(箏)
- ブレット・ラーナー(箏)
前衛にベース2人、後衛に筝2人。筝は床に座るのではなくスタンドに載せてある。お二人とも椅子は使わずに中腰になって演奏。腰痛めないのだろうか。自分が最近ヤってるだけに気になる。
(^_^;;
この日、出演者は何故か全員、赤と黒の服。黒のジャケットに赤いシャツとか赤のTシャツに黒いパンツとか。「皆で揃えたんですか」と斎藤氏に訊くと「あれぇ、ほんとだ(笑)」だって。ラーナー氏に至っては黒地のTシャツに真っ赤な筆文字で
浦和
....だから何。赤だけにレッズファンなのか。謎*1。
んで、この日のセッションなのだが....あんまり面白くなかったつうか、今ひとつだったかな、という印象。前衛のベース2人と後衛の筝2人が、どうも噛み合わなかったというか。いや、アンサンブルやインタープレイなんて別になくてもいいんだけど、4者の間で交感というか化学反応みたいな成果を出すには至らなかったと思う。斎藤氏とレアンドル女史のコンビネーションは相変わらず良かったのだが。
いわゆるフリー・インプロの演奏家には大雑把に分けて、共演者の演奏を良く聴く人と、共演者のやってることには無頓着に音を出し続けるタイプの人の2つに分けられると思う(どちらが良いとかいう問題ではなく)。レアンドルという人は典型的な前者というか聴いて反応してお互い交感して、持ち味が発揮されるタイプというか。
5年前の、内橋和久氏主催の "New Music Action" のセッション@世田谷美術館でも、次々変わる共演者に、その都度じっと耳を傾けていた(時には演奏の手を止めて)のが印象的だった。基本的にすごく、相手を“聴く”人だと思う。
なので無頓着タイプの人との競演は必ずしもうまくいかない気がする*2。
この日は筝部隊の二人とは、うまく噛み合ってなかった。澤井さんはあの小柄な体から信じられないようなパワーを発揮する人だが、この日の“パワー・プレイ”的な演奏が良い効果を出していたようには思えなかった。筝の“柱(じ)”をバシバシと弾き飛ばして強烈なスラップ音を出すのや、弦を緩めてグニョ〜〜ンとさせるのも、状況を異化させる役を果たしていたようには思えない。
あと、ラーナー氏だけど、ちょっとこう、最近伸び悩んでいるのではないか。この日の演奏もあんまりパッとしたところがなく、精彩を欠いていたように見受けられる。数年前、Super Deluxが六本木に移転する前、麻布の倉庫でDeluxという名前でやっていた頃にさかんにライブの企画をしていた頃のほうが面白かった気がする....。落語家でいうと万年二つ目みたいな状態で、ちょっとヤバいのではないか。
お筝の弦に“地球ゴマ”を載せて、電源なしのアンプラグド・ドローンノイズを実現したSparkling Beatnikからの怪作、 "Telemetry Transmission" の頃みたいに、もっとハジけて欲しいなあ。
まぁそんなライブだったのだが、帰路、ジョエルさんに "Out Of Sound" (LEO LR337)にサインを貰う。ローレン/ウルス(そういやもうじき来日するね)の二人には前回の来日時に貰ってたので、これで全員分埋まった。
(^-^)
Lauren Newton/Joelle Leandre/Urs Leimgruber: Out Of Sound
http://www.leorecords.com/?m=select&id=CD_LR_337
【参照サイト】
ジョエル・レアンドル
http://www.shef.ac.uk/misc/rec/ps/efi/mleandre.html
斎藤徹
http://www.japanimprov.com/saitoh/index.html
沢井一恵http://www.soukyokuin.com/KAZUE.HTM
ブレット・ラーナー
http://www.japanimprov.com/blarner/blarnerj/profile.html
Brett Larner: Telemetry Transmission
http://members.jcom.home.ne.jp/barberfuji/a.html