8/15 ジョエル・レアンドル@上尾Barber富士


Barber富士のジョエル・レアンドル女史のライブに行ってきた。
http://members.jcom.home.ne.jp/barberfuji/


開演ギリギリに到着。ほぼ満員の店内。若尾久美さん(わざわざいらしていたとは!)からいきなり「お忙しかったんですってね」と声をかけられ恐縮する。読まれてるんだなあ(冷汗)。ほどなくジョエルさん登場、開演。


休憩なしで約1時間*1。数分〜10分前後の短めのソロを数曲、という感じ。

  1. 弓奏でハーモニクス
  2. ピチカート+スラップ→弓の柄の部分でピッキング→弓を持ったまま薬指でピッキングスキャットしながらベースランニング→弓奏(強烈)
  3. 弓でブリッジの外を叩いて弾く→激しく弓奏
  4. 左手でコードを押さえてスライドしながら右手は弓で叩く→ダブルストップをスライドさせながら弾く→弓奏(窓が震えるような大きな響き)→ハーモニクスを弾きながらハミング→朗々たる朗唱→ボディ叩き
  5. 間を多く取った演奏:ブリッジの外をピッキングしたり弓で弾いたりを交互に繰り返す
  6. 弓を大きく使ったメロディと小刻みのトリルを交互に繰り返す演奏→金属質の超高音のハーモニクス→左手でコードを押さえてアルベジオ:ピッキングの仕方で基音→ハーモニクスピッキングノイズと変わっていく→弓を弦に強く押し付けてギシギシとノイジーに→一転して撫でるように弱く当てて人間の息のようなかそけき音→いったん終演
  7. (アンコール)G線だけを弓弾きしてメロディを紡いでいく:ゆったりとした大きなメロディ、それに合わせて歌うメランコリックな、童謡か東ヨーロッパの俗謡のような歌....。

渾身。入魂。そういう言葉がふさわしい演奏だった。ウッドベースの演奏ではバーバー富士で聴いた中ではもっとも音がデカかったのではないか。このときの演奏は、抽象的・非イディオム的ないわゆるフリーインプロというよりは、比較的“うた”を大切にしたタイプの演奏が中心であったように感じた。だから決してカッティングエッジ、先鋭的という演奏ではなかったのだが、そこに込められた音楽的な豊かさは素晴らしい。


オーナーの松本さんの日記
http://air.ap.teacup.com/scissors/55.html

ライブは最初からフルスロットルの大熱演。ソロは初めて聴いたが素晴らしい出来。少し飛ばし過ぎではといらぬ心配をしてしまう程。アルコ、ピチカート、ヴォイスとどれをとっても音に強い意志が感じられる。

大いに同感。日記サボってすみませんでした松本さん(再び冷汗)


3枚ほどジョエルさんのCDを購入。

どれも良かったけど、ベストは、最新作のベースソロ2枚組(!)"Concerto Grosso..."。特に、Disk 2中盤の高揚感には陶然とする。

*1:後で聞いたのだが、ジョエルさん左腕を傷めてらっしゃるとか。あちゃー。くれぐれもお大事に。でも演奏は、そんなことはおくびにも出さない見事なものだった。俺、全く気づかなかったもんな。