今井和雄・伊東篤宏・鈴木學@なってるハウス


http://members.jcom.home.ne.jp/knuttelhouse/schedule0507.html

知る人ぞ知る、即興の達人。故高柳昌行氏に師事した音に対する抜群のセンスは、プリペアード・ガットギターから音響装置による演奏まで、多岐にわたります。さて、今回は何がとびだすか!


いやぁ、地震で地下鉄が動かない動かない。来たら来たで戦後のヤミ市列車状態だし。萱場町→入谷があんなに時間かかるとは思わなかった。ヘロヘロ状態でなってるに到着。会場してるのに客、俺ひとり(汗)。ヘロヘロ状態で立て続けに生ビールと出羽桜(激ウマの日本酒)を注文(これが後で効いた…)。


徐々にお客さん集まり始め、大分たってから俺以上にヘロヘロになった伊東氏到着。八王子の多摩美でのレクチャー&演奏と連チャンだったらしく:
http://www.japanimprov.com/aito/aitoj/schedule.html


割れやすい蛍光灯抱えてあの状態の電車はさぞかしキビしかったろう(涙)

  • 今井和雄:guitar
  • 鈴木學:eletronics
  • 伊東篤宏:optron

今井氏は、Barber富士でのソロ↓でも使っていた、古いエピフォンをエレアコに改造したギター
http://members.jcom.home.ne.jp/barberfuji/58.html
と、ギブソンES-175にビグスビーのトレモロアームをつけたギター。エフェクターは、エレクトロハーモニクスのリング・モジュレーターとBOSSのディレイ(ペダル2個のやつ)、そして何と、コルグの古〜〜いレアなエフェクター、ペダルでVCFのフィルターをコントロールするという「トラベラー」を使っていた(コンディションも非常によく新品同様だった)。俺、名前だけは知っていたんだが実物を見るのは初めてだ。しかも実際にライブで使っているところなんて!鳥小屋サウンドの尾上さんならコレご存知なのかな?


トラベラーについてはコルグの「KORG MUSEUM」というコンテンツを参照(イラストしかないけど)
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/TravellerF1/
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/TravellerF1/traveller_p.gif


鈴木氏は自作と思しきエレクトロニクス3個。つまみとスイッチがたくさんついた大きめのエフェクター位のダイキャストのボックス。これに:

  • タッチセンサーになってると思しき細長いアルミ板
  • 密閉したプラスチック容器の中に水が入ってて傾けるとセンサーが反応して音が変わる

という自作デバイスがケーブルで接続されていた(詳細不詳)。


伊東氏はオプトロンにBOSSのオクターヴァー、オートワウといういつものセット。どうやらふらりと入った「普通のジャズファン」と思しきお客さん男性3人組との「そ・そ・それなんですか…?」「蛍光灯です」という会話には思い切りワロタ。いや〜、どうなることかとドキドキして見ていたのだが、案の定終わったら無言でお帰りに(笑)。あ〜、ちょっと気の毒だったなぁ。いや、からかうつもりはなくマジで。どっかで激怒のブログとか書かれていないことを祈る(汗)。


今井氏が「譜面台用意してください」と言って、数曲分の譜面を目の前に広げる。終演後に聞いて分かったのだが、この日の演奏は今井氏が譜面のある曲をきちっと(ただしエレキギターエフェクターで)弾いて、それに鈴木氏+伊東氏がインプロで絡む(あるいは絡まずに勝手に音を出す)という内容だったのだ。


この日演奏されたのは:

‐南米の作曲家の作品(名前・曲名失念)
ダウランド:曲名不詳
プーランク:曲名不詳
ライヒ:ピアノ・フェイズ
シェーンベルク:ピアノ協奏曲

これを今井氏がギョィーン(リング・モジュレーターを掛けた音)ミョイ〜〜ン(トラベラーのペダルでフィルターを開閉した音)ゆいんゆいん(トレモロアームを使ってる音)という音で弾いてる一方で、伊東氏が例によって「ズバババババババババ、ビョ〜〜ン、ズビズバ」という音を出し、鈴木氏は、けっこうピュアな電子音というか、昔のいわゆる「モーグ・レコード」とかレイモンド・スコットみたいな綺麗で魅力的な電子音を色々と出していた。ディレイはライヒの曲でループを作るのに使用。


ただ…たどり着くまでの満員電車状態に、酒をイッキ呑みみたいに飲んでしまったのが裏目にでて、前半は睡魔が…(それだけじゃなくちょっとこの日は風邪気味だったみたい)。後半は持ち直したけど。


今井氏は「リング・モジュレータ使って弾いたりしたらシェーンベルクに怒られるなぁ」なんて終わった後笑っていたが、別に激しいアクションで弾いてたわけでもないのにシャツが汗びっしょりになってた様子が尋常でない集中力を物語る。


この日は鈴木氏のエレクトロニクスの綺麗さがとても印象に残った。また聴いてみたい(俺、鈴木氏の経歴ぜんぜん知らないんだけど)。