大銀座祭2005:究極の東西寄席(Cブロック)


行ってまいりました。こんな豪華メンバーを生で一度に見られる機会が他にあるでしょうか。いやない(反語)。いやもう参った。ロックフェスよりこっちだぜ。
http://www.joa.co.jp/koasa/daiginza/ginza_index.html


俺ら夫婦はCブロックに。柳家花緑師匠によると「一番最初に完売した」らしい。当日券も無かったようだし、良かった取っといて(涙)。

柳家花緑vsコージー冨田

  1. 冨田&花緑トーク
  2. 冨田&花緑はなわトーク
  3. はなわ:ベース漫談
  4. コージー冨田:ものまね
  5. 柳家花緑ちりとてちん

俺あんまり最近のお笑い番組見てないんで(別にコダワリとかがあるわけじゃなくて単純に見る時間が無いの)コージー冨田って“タモリの真似”の人って認識しかなかったんだけど、けっこう器用な人なのね。桂歌丸師のマネが面白かった。


はなわは4歳になるという長男をネタにした「俺の息子」というロッカバラード調の曲と、お約束で「ガッツ伝説」。


知ったかぶりの男が、腐った豆腐に唐辛子を山ほど混ぜてグチャグチャにしたウソ珍味「台湾名物ちりとてちん」を勧められ、食通ぶって食べようとして七転八倒するのが見所の「ちりとてちん」。口に持ってこうとするんだけど体が本能的に拒否して動かない、それを無理矢理口の中に流し込んでノタウチ回る花緑師に爆笑*1

春風亭昇太爆笑問題の会

  1. 春風亭昇太:壺算
  2. 爆笑問題&昇太:トーク
  3. 爆笑問題:漫才

「壺算」は「時そば」と並ぶ、数字のトリック(?)を使った詐欺をネタにした噺なのだが、昇太バージョンは、独自の工夫(ネタバレになるから書かないけどさ)により、何と言うか“パワフルな笑い”の噺になっていた。花緑師の「ちりとてちん」がノタウチ回る男一人を見せるのに対し、昇太師はドッタンバッタンと絡み合う男二人を同時に見せる。ここらへんのテクニックはすごい(いや後から気づいたんだけどね)。


詳しくは、CDブックが出ているようなのでこちら↓でご確認を*2
http://www.1101.com/store/shota/index.html


続いては爆笑問題&昇太師が絡んでトーク爆笑問題の二人は見たところ、出掛けにテレビで見た「サンデー・ジャポン」の服のまま(もしかして私服かよ!)。んで、何で昇太師が先なんだと思ってたら、この後お芝居の立ち稽古があって早く抜けなきゃならないみたいだった(苦笑)。太田に「主催者がそんなんでいいのかよ!」とか突っ込まれつつ昇太師退場。


爆笑問題の漫才。太田、エヴァ初号機のように暴走。ツービート時代のたけしに通じるブラックでアナーキー本来の資質の片鱗を見せる。時節柄あんまりヤバイんじゃねぇかというネタ(ここでは書けない)では客席が凍りつく一瞬も*3


んー。だが。


このクニのこんな時代で、一時期のたけしのような“毒ガス”的存在であり続けること−−2ちゃんねる的な便所の落書きでもなく、「朝生」や「テレビタックル」的な“不毛な時事放談”でもない方法で、テレビのメジャーな現場にいつつアナ−キーに振舞うこと−−は色々な意味で不可能だ。


「たまに漫才やらないとおかしくなっちゃう」という発言には、太田の本音−−苦悩とジレンマ−−が透けて見えるようで、なんとも言えない気持ちになってしまった。

三遊亭円楽/楽太郎 二人会

  1. 三遊亭楽太郎:藪入り
  2. 三遊亭円楽中村仲蔵


一部・二部に対して、意地をかけてマッコウ勝負で定番ネタをぶつけてきた円楽&楽太郎師。その意気や良し(何様だよ俺)。お二人とも直球勝負、楷書のような、一字一画ゆるがせにしないような噺。


んーー。「ホール落語」という環境は、この勝負どうあっても不利だった。これが寄席だったらいわゆる“大向うを唸らせる”名演だったのかもしれないが....。あと、第一部第二部でお客さんが既に“笑い疲れ”ちゃってたというのも更に不利に作用した気がする...。実際見えなかったもんな、細かい所作や表情。歌舞伎の薀蓄と教養をたっぷり踏まえたうえでの円楽師の重厚な語り口なんて、先日の日記で書いたような、ズシリと腹に溜まるような「お腹一杯」感があったのだが*4


いや、思い出しつつ入力してるだけで、思い出してちょっと疲れちゃったんで、続きはあとでアップします。お仲入りということで(笑)。

*1:...という噺なんですけど、ググってみると「ちりとてちん」という居酒屋や料理屋、けっこうあんのね!しかも「落語にちなんで」とか書いてある。どういう了見なんだろう。間違っても豆腐料理なんて頼みたくないんだけど(汗)

*2:これは「日刊イトイ新聞」がらみで出ているらしい。俺は糸井重里が嫌いなんで忸怩たる思いがあるのだが。

*3:この日は1階席の最後尾近くだったので客席全体を見回せて“客の波”みたいのが割と分かったの。

*4:タイガー&ドラゴン」でネタにされて揶揄されてた「人情噺で自分が泣いちゃって客が引いちゃう」というのも見られなかったしね(笑)。