9/17 SalmoRise vol.4@門仲天井ホール

ということでSalmoRise 4のレビューを。


この日の門天ホールは昼の部が入っていたので、立ち位置確認・設営・PAチェック・ライティング確認などしていたらあっという間に時間がたってしまい、開場がやや押してしまった。失礼いたしました。


過去3回と同じく門天の一般的なステージ位置とは90度変えてセット。背景の2面の窓に佃島の高層マンション群や中央大橋や東京タワーの夜景が見えて美しい。PAスピーカーは、音の発生位置を明確にするために中村氏のすぐ背後の左右、ちょうど椅子に座った時の頭の高さにセット。その右隣(ステージ向かって左)に山内氏。中村氏は一時期よりエフェクターの数は減って(2・3個)あとはいつものミキサーとプリアンプぐらい。


進行は下記の通り(以下敬称略・カッコ内は山内使用サックス):

  1. 山内ソロ
    1. インプロヴィゼーション(alt)
    2. houri(alt)
    3. sur(alt)
    4. chikushi(sopranino)
    5. far east(alt)
    6. kitanyu(alt)
  2. 中村ソロ
  3. 山内・中村デュオ
    1. インプロヴィゼーション(alt)
    2. salmo(sopranino)

山内ソロ

  • 低音+息
  • 「ヴォン」という低音の繰り返し
  • 長い息音
  • 短めのタンギング
  • 珍しく電子音ぽい音
  • チクシ:ホジョク(韓国の管楽器)っぽい音色

中村ソロ

  • 静かなホワイトノイズ
  • ブツブツいう接触不良音
  • 紙を破くようなノイズ
  • サイン波長く「ピーーーーー」
  • 徐々に耳障りに大音量に
  • 断ち切るように沈黙
  • 静かなホワイトノイズ再び
  • 線香花火のようなパチパチはじけるノイズ
  • 超低音のパルス音:ウーハーが「ボム」と鳴るような
  • 再び徐々に音量上がりハーシュノイズ風に
  • 雨音のようなパラパラいうノイズ
  • フェイドアウト

デュオ

山内

  • 息音+フラジオ
  • 息+最後に管体を「フワリ」と鳴らす
  • 息+低音
  • しばし沈黙
  • サックスのタンポ(キー)をカタカタ言わせる
  • 息音
  • フラジオ
  • 短めのタンギング
  • 再び沈黙


中村

  • 小さなサイン波
  • 長く「ピーーーーーーー」
  • プツプツと泡立つような音
  • ピーン(ガラスを叩いたような美しい高音)
  • 再び長いサイン波
  • 徐々に倍音成分が増してピンクノイズ系の「ビーーーーー」という音に
  • 音量アップ→大音量
  • 爆発音のような音とともに音量小さく
  • 冷蔵庫の低音のような「ブーーーーーン」
  • サイン波から鳥の鳴き声のような「キチキチキチ」「チクチクチク」という音
  • パルス音「ピピピピピ」→徐々に音量アップして「ビビビビビビ」という音に
  • 大音量の炸裂するようなノイズ
  • 一転して小音量の、コオロギや鈴虫の音色のようなチリチリいう音
  • プツリと途切れて 終わり

ラストの「Salmo」は、山内が繰り出すエヴァン・パーカーばりの高速トリルを中村が様々なノイズのバリエーションで迎え撃つという演奏に。最後は山内が演奏を終えた後も中村が延々とサイン波を鳴らし続けるカデンツァ(というのかこれも?)で終演。


今回、山内は「hi」「!」といった曲にあるような超高音の「鼓膜をじかに摩擦するような」演奏は封印し、全体的に演奏の変遷のゆったりした「大きな流れ」を感じさせる演奏だった。その一方で中村が、彼にしては比較的「手数」の多い様々なバリエーションを繰り出す、という展開になった。「普通の楽器」と競演するときの中村は、動きの少ない静的な演奏になることが多いと思うのだが、この日のように中村が「動」、「普通の楽器」である山内が「静」となるような演奏のコントラストは珍しい。その分中村の演奏はラフな印象を受けたが、この日はちょっと体調が悪かったらしいのと、あと俺の事前の段取りや根回しの悪さにも一因があると思われる。


今月はいろいろとイベントが重なっているとこもあり集客は過去3回には及ばなかったのだが、休憩時間や終演後、山内&中村とアーストワイルのジョン・アビー&座間裕子さん、キース・ロウを囲んで和やかな歓談が続き、なんか「Amplify2008」のレセプションパーティみたいな感じになった(笑)。


とりいそぎ書きかけ。これから出かけなければ。後で加筆訂正予定。