誰か本当に「静かな」選挙運動をしないのか


ノー選挙カー:「騒音、排ガス」一掃へ…推進ネット設立
http://www.mainichi-msn.co.jp/photo/news/20070416k0000m040106000c.html

15日、首都圏の新人候補10人らによって「NO!選挙カー推進ネットワーク」(代表・伊藤悠都議)が設立された。また、茨城県日立市議選では現職10人が選挙カーを自粛した。

 推進ネットは、車にスピーカーを設置しない、車中から音声を発しない、選挙カーに支払われる公費負担を請求しない−−の3項目に賛同する候補者らで発足。東京都調布市議選に立候補した民主新人候補(37)は「騒音、排ガスを出し、税金まで使って走る選挙カーを使わない選挙戦をします」と出陣式で宣言。選挙カーの絵に斜線を施した推進ネットのロゴマーク入りののぼり旗を掲げた。


....だそうである。


まぁ一読すると、良い事づくめ、この上なくけっこうな運動のように思える。


ただし。ググってみると、この「ネット」の賛同者は軒並み、民主党の候補であるようだ。


つまり、この運動の実態は「ヤツら(与党)に比べて、ほぉら、ぼくらはこんなにクリーン」という、まぁ民主党さんの毎度々々のジェスチャー/スタンドプレーの一環であるわけだ。


それに、よく読んでみれば、この“戦法”では決して

  • ハンドマイクでの駅前の辻説法
  • ハンドマイクで徒歩で移動

も辞めます、とはなっていないことに注目しなければならない。


ということは、コイツ等に賛同する候補がもしも徒歩+ポータブル拡声器で移動したら、大音量の連呼がゆっくりと移動していつまでたっても遠ざからないという事態を招きかねないのではないだろうか。


悲喜劇とはまさにこのことだ。コントじゃないんだからさ。


そろそろ静かに選挙 しようよ(選挙・騒音・名前の連呼
http://blog.livedoor.jp/mmatiko1/
そろそろ静かに選挙 しようよ(選挙・騒音・名前の連呼):外国の静かな選挙
http://blog.livedoor.jp/mmatiko1/archives/cat_50005790.html
残念ながら昨年12月で更新止まってるが、内容は素晴らしい。


別に「欧米マンセー・だからこの国はダメなんだ」式の論議をするつもりは毛頭ないのだが、こういうブログを読んでる間にも、窓の外を候補者名の連呼の声がドップラー効果で通り過ぎていくのを聞くと、まったくもって絶望的な気分になってくるのである。


それからウチの地元では、実は、先日の日記の「さくら祭り」で、会場の運河をモーターボート使って拡声器でお願いコールしてった馬鹿候補がいたのだ。手漕ぎの和船の脇を拡声器で大音量で通り抜けてやんの。選挙期間中だったから言及しなかったが、おめぇなんざ落ちて当然だよ。おめぇみたいに空気読めねぇヤツが政治の風や流れを読めるわけねぇだろうが。


たまに「選挙カーがうるさい」つってクレームつけたり車壊したりして逮捕されちゃうブチキレ親爺がニュースになるけど、俺、責める気になれないんだよな。


誰かやらないかな。スピーカー乗せた選挙カーが街なかを行くんだけど何の音もしないとか、駅前で立ってるんだけどじっとしたまま何も喋らないとか。名づけて「ヴァンデルヴァイザー選挙」。勝てるかどうかはともかく、却って凄く目立つと思うのだが。



さて。


問題の本質は、選挙カーがウルサい云々ではない。


市街地における拡声器の無秩序かつ無制限(に等しい)の濫用に殆ど真っ当な規制がなされていないことが問題なのだと思う。


正確に言えば、

  • 石焼芋屋
  • ホットドッグとアイスクリームの大学堂(http://www.daigaku-do.co.jp/):歌手志望だったとかいう社長のド下手なテーマソングを流しながら来るんだよ!もう公害でしかねぇよ!
  • その他・流し(移動販売)の食い物売り全て
  • 廃品回収
  • 竿竹屋
  • 商店街の有線の広告
  • 右翼の外宣車
  • しんぶん赤旗の宣伝カー
  • その他・政治活動に拡声器を使う連中全て

は、私の敵だッ!!((c) 外山恒一


もうね、静かな音楽や舞踏や美術の個展の、ピンと糸を張り詰めたような緊張感の中、ああいうのが聞こえてくるときの脱力感といったら無いよ。マジで殺意を覚えるもんな。