8/5 立川龍志四季の会@お江戸上野広小路亭


先日の「落語馬花@門天ホール」で素晴らしかった龍志師匠の会に行ってきた。
http://d.hatena.ne.jp/Bushdog/20050724#p1


お江戸上野広小路亭
http://www1.odn.ne.jp/~engeijou/ueno.html

  1. 立川吉幸(きっこう):元犬
  2. 立川龍志:小言幸兵衛
  3. 立川龍志:野ざらし
  4. 立川龍志:らくだ

参考サイト:落語のあらすじ 千字寄席
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/



前座の快楽亭ブラ房改め立川吉幸さんは、開口一番「色々事情がありまして8月に改名いたしまして…」と。会場からも苦笑が漏れる。


まぁ師匠の人が大変なことになっちゃったから。
改名前→ http://www5.famille.ne.jp/~tower/geinin/geinin.html#2
改名後→ http://www.d4.dion.ne.jp/~t-dankou/desi.htm
事情とは→ http://www.danshi.co.jp/topics.htm


こんな逆境にあって明るく頑張る姿は健気だ。フラのある噺家さんだしこれからも頑張れ。


龍志師は、やっぱ都都逸とか端唄とか唸らすと上手いねぇ。「野ざらし」での、美人の幽霊に会いたくて行き倒れの仏を探しに行く際の様子とか、あと終盤、幇間が出てきてヨイショの口上をまくしたてるところとか、いいよなぁ。こういうのこそ教養というんじゃないだろうか。


さて、トリの「らくだ」の面白さの真髄は、後半の「逆転のカタルシス」にあると思う。まるで内田裕也や安岡力也*1みたいな凶暴で我儘で話が通じないおっかねぇ乱暴者に散々パシリに使われた気の小さいクズ屋さんが、酒を注がれるうちに人が変わっていって(実は酒乱だということなのね)、凶暴なアニキのほうが気圧されて言うことをきくようになっちゃう過程が一番の見所なわけだ。


ちょうどこういうの↓の覚醒パターンの元祖(!)なわけだが...:

......。比べてみると...非常にこう、しょぼいというかトホホなんですけど...。


これが浪曲や講談や歌舞伎だったら、主人公は「飲めば飲むほど強くなる」という豪傑タイプで、悪者をとっちめてスカっとさせて大団円、ということになるのだろうけど。


ここが落語の特色というか他の古典大衆芸能との相違点だと思う。非ヒーロー主義みたいな*2


会場には先日「落語馬花」の主催をされたご夫妻もいらしていて、ご挨拶いただいたりして、恐縮してしまった。


PS
最近、何人かのかたとお話していて話題にあがったのですが、俺、落語そんなに詳しくないです。俺が落語に接したのって、古谷三敏のマンガ「寄席芸人伝」からですから。切腹

寄席芸人伝 (1) (小学館叢書)

寄席芸人伝 (1) (小学館叢書)

寄席芸人伝 (2) (小学館叢書)

寄席芸人伝 (2) (小学館叢書)

*1:今年もお祭りに来るかな

*2:今思いついて勝手に命名しただけですので他では通用しませんので念のため