11/4 立川龍志 四季の会@お江戸広小路亭
立川龍志師匠の定例の落語会に女房と一緒に行ってきた。
立川流一門(顔写真とプロフィールあり)
http://tatekawaryu.at.infoseek.co.jp/shutuen/
開口一番の立川千弗(センドル)さんは、こないだ(http://d.hatena.ne.jp/Bushdog/20051016#p1)柳家初花さんも演ってた「金明竹」。“言い立て”がポイントの噺なのだが所々カミカミになってしまうのは、ちといただけない。
そういやぁ、こういう“言い立て”で笑わせる噺の場合、若手の噺家さんだと早口のところになるどうしてもと声量が落ちちゃう、という傾向が見られるね。
ちょうど、ギターの演奏で速弾きになると押弦とピッキングが弱くなっちゃうみたいなもんなのかな。エレキギターの場合は音がデカくて歪むアンプを使ったり、音量を調整するエフェクターで電気的に加工しちゃったりできるわけだが、人間の生の声ではそうもいかんわな。
そこいくとやっぱ柳家花緑師は凄くて、例えば「大工調べ」の啖呵をバーーーーーーーっと一息に言い立てても、声量が下がったりせずにスパーン!と声が前に抜けるのね。そこはさすが子供の頃からやってる年季の違いというヤツかなぁ。
談大さんのやった「町内の若い衆」はこういう噺で(注:エロネタです):
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/02/post_8.html
その次に龍志師のやった「猫久」はこういう噺*1:
http://www.asahi-net.or.jp/~uk5t-shr/nekokyu.html
要は、どちらも長屋のおかみさんを「あの人は良く出来た人だ、ああいう人は中々いない」と褒める噺なんだが....。
普通は「ネタがつく」といって、同じ日に同種の噺が重ならない、つまり廓噺を2つ掛けたり長屋噺を続けたりしないように噺家さんが楽屋でネタ帳を確認するなどして調整しておくのが、寄席の慣習なのだそうだ。
後から出てきた龍志師、まずは苦笑しつつその辺の話題をマクラに。「ま、前座ではこういうこともたまにある訳なんですが...(笑)」笑いさざめく客先。「あーあ、やっちゃたんだな」みたいな。内容は女房曰く「落語初心者にはもったいないような高座」。いや、いいなぁ。
中入後の「三軒長屋」は、終わってから知ったのだがなんと、ネタおろし*2だったそうな。
ちなみにこういう噺。けっこう長い。芝居でいうと何幕何場もあるような。これは力量の有る噺家じゃないと勤まらないだろう。
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2004/10/post_11.html
終演後、受付の奥様曰く「ネタおろしで粗い出来で申し訳ございません」、挨拶に出ていらした龍志師も「ヒドい出来でもう、相済みません」とか恐縮してたけど、全然気付かなかったなぁ。
後ほど丁寧なお礼の葉書きまでいただいてそこにも「酷いできで申し訳ない」みたいなこと書かれていて、かえってこっちが恐縮しちゃったよ。
参考サイト:
お江戸上野広小路亭http://www1.odn.ne.jp/~engeijou/ueno.html
立川流一門会
http://tatekawaryu.at.infoseek.co.jp/
古典落語ネタ帳
http://homepage3.nifty.com/~tomikura/rakugo.html
落語のあらすじ 千字寄席
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/