道具を使うイルカたち


これはかわいい。メスのイルカたちの間でお肌を傷めないように道具を使うのが広まってるというお話。

Nature:Dolphin mothers pass tool use to daughters(母イルカ、娘に道具の使い方を伝える)
http://www.nature.com/news/2005/050606/pf/050606-2_pf.html

EXCITEの翻訳ページをドゾ:
http://www.excite.co.jp/world/english/web/


てきとうにかいつまむと:

  • 1997年、オーストラリアのシャーク湾(パースから850キロ位北にある)に棲むバンドウイルカに、道具を使う例が発見された。
  • これは、水棲哺乳類がチンパンジーのように道具を使っているという初めての報告例である。
  • 砂地を掘り起こしてエサを探すとき、なんとクチバシ*1海綿をはめて、すりむけないようにしているらしい。
  • これをやるのはもっぱらメスのイルカらしい。
  • んで、道具の使い方が世代間で受け継がれるのは遺伝ではなく、娘が母親から学ぶらしい。
  • 研究チームは海綿を使う個体と使わない個体のDNAを採取して比較した。その結果、多くは同一のミトコンドリアを有する、つまり1体の母親“イヴ”からの子孫であることが分かった。
  • とは言うものの、それが道具の使用が遺伝情報によるものだという証拠にはならない。
  • 研究チームは遺伝子のX染色体を調査したが、道具を使うという特徴がDNAで運ばれたという証拠を見つけることは出来なかった。
  • 若いイルカは大体4〜5年母親とともに暮らし、その間に母親から様々なトリックを学ぶ。一般的にイルカはとてもよく真似をする動物だ。
  • イルカのオスも母親から海綿の使い方を学ぶと思われるが、あまり海綿を使う観察例が見られないのは、成長するとメスを追っかけるのに夢中でそれどころではなくなってしまうからかもしれない。
  • 研究チームは海綿を使うイルカが使わないイルカよりも何らか優位な点があるかどうか調べる予定。
  • 海綿を使うイルカのほうが体脂肪率が高ければ、海綿を使うほうが使わないよりもエサを多く食べられることを示唆しているはず。

「砂地を掘り起こすとお肌が荒れて困っちゃう〜」「コレ使うといいわよ」「ホントだぁ!」なんて、まるで化粧品のCMみたいな会話が、あの超音波の鳴き声で交わされてるのかな(笑)。記事に出ている「海綿をくっつけて見せびらかすKiteちゃん」という写真もかわいい。是非とも動画きぼ〜ん。

*1:鼻の穴が頭上にあるから、イルカの口の尖った部分は「鼻先」とは呼ばないみたいだ。