大友良英ターンテーブルソロ2日目

この日は何とか行くことができた。


(大友氏はテーブルのうえに体を乗り出して色々やってるのだが、何をどうやってるかは遠目ではよく分からないことも多く、下記の内容の正確性は保証しかねる)


用意されたターンテーブル(以下TTと略)は合計7台!古い蓄音機(SP盤の)から子供用の安いポータブルプレイヤーまで様々。メインのTTは名機といわれるテクニクスSL-1200+ミキサー。バネやら針金やらをくくり付けてある自作のカートリッジ(前衛ジャンクのオブジェみたいな形状になってる)が数種類用意されている。また、コンタクトマイクが2個用意されて、色んなところに当てて音を拾ったりハウリングやフィードバックを起こせるようにしてあるようだった。

大友氏の日記によると
id:otomojamjam
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20050307

アイディアは極めてシンプルで1曲につき、使うのはターンテーブル1台とワンアイディアのみ。
で、アイディアというのは、たとえば接触不良音のみを使うとか、ランダムにフィードバックさせるとか、あるいは針音の動きのみに焦点を当てるとか、そういうったこと。これも1曲につき、ワンアイディアのみ。

とのことだったが、そのとおりの内容になった。それぞれ数分〜10分弱くらいの短めの演奏がいくつもバラエティ豊富に続く。

  1. 古いTTでハウリング+モーター音を聴かせる非常に短いソロ
  2. 以下、メインのTTであるTechnics SL-1200使用:
    1. コンタクトマイク2個を両手に持って接触させフィードバック
    2. ボディを拳で叩いて民族音楽のドラムのように連打:「オルタナティブ・ミュージック」といわれてたころのノイズバンド(テスト・デパートメントとか)みたいなトライバルビート
    3. バネのついた自作カートリッジでディスクを引っ掻く
    4. コンタクトマイク2個をストロボ(回転数確認用の刻み目)に着けて蜂の羽音のような音
  3. 古い壊れたポータブルプレイヤーのハムノイズと接触不良音を聴かせる
  4. TTのモーター音のみを聴かせる(?よく見えなかった、詳細不詳)

休憩

  1. アンプラグド(笑):古い蓄音機でSP盤をスクラッチサウンドボックス(アーム先端の円形のパーツ)をいじる(?大友氏の体の陰だったので詳細不詳)
  2. テントウ虫型のポータブルプレイヤーをTechnics SL-1200に乗せて「親亀小亀」のようにし、フィードバックさせる:プラスティックボディだからよく響く
  3. Technics SL-1200による、地鳴りのような轟音。この日一番のハーシュノイズ!自作カートリッジを握りつぶすようにして超高音のハウリング/フィードバック。しかも一番長尺の演奏。耳が死んだ。(T_T)
  4. 音のないアナログディスクにソノシートを乗せ、ただ静かな針音(プラスさっきの耳鳴り)のみを聴かせる。焚き火のはぜるような音が、傷ついた鼓膜に心地よい。針がソノシートの端にぶつかった後、TTの電源を切り、回転が落ちていって止まった所で終演。

いやはや、大友氏ってホント、アイディアマンだよね。TTからこんなに多様で繊細だったり野蛮だったり、色んな響きを引き出せるなんて。
俺的には、80年代の「インダストリアル」「オルタネティブ」と呼ばれてたノイズバンドみたいな音が随分聞こえて、面白かった。あぁ、こういう音あったよねぇって。
いや決して懐古趣味で聴いてたわけではないのだが。

冬頃Improvised Music from Japanから発売予定とのこと。ビデオ収録もしてたけど、それはどうするのだろう?


PS
大友氏のメインマシンであり、DJ文化を牽引した名機Technics SL-1200には専用のサイトもある。なんと発売30周年らしい。
http://www.sl-1200.com/
(↑いきなり音が鳴り始めるので注意)