アクセル・ドゥナー@明大前キッドアイラックホール

(↑向かって左からの着席順)


あんなに混んだキッドアイラックは初めてだ!

余裕こいて行ってみたら、行列が出来てたのにはビックリした。案の定、フロアの4分の3がお客さん、残りがミュージシャンでギチギチ。こんなの前代未聞だ。左端の壁際、床に座る。スーツで体育座り、かっちょわりー事この上ない(内容が非常に充実してたから許せるけど)。

なんと偶然、真後ろが山内桂氏。上京して風邪をひいたらしい。大丈夫とは言っていたが明日からのライブが心配だ。

1. 宇波・大蔵・ドゥナー・グスタフソン
宇波氏は、最近よく演る、ノートPCからスピーカーで低周波を出してスピーカーに載せたさまざまな物体(缶、板、金属のボウル、ボールベアリングetc)を鳴らす演奏。
大蔵氏は新ピと同じくホース+ゴムチューブ、CD。新ピではPAに苦戦していた大蔵氏、やはりノンPAのほうが音がはっきり聴こえていい。
ドゥナー氏とグスタフソン氏は、基本的に新ピとほぼ同じプレイスタイルだが、グスタフソン氏は、このセットでは、新ピで見せたような“パワープレイ”志向はかなり抑え目で、これがいいバランスを生んでいた。
聴いていて凄く気持ちよくなる、心地よい緊張感のある演奏で、このファーストセットが一番気に入った。

2. 木下・ドゥナー・秋山
木下氏はヴァイオリンを膝に置いて、解放弦を左手でミュートし、弓で弦を軋ませるというか捏ね回すようにして「
キチキチ...ギギ...チリチリ...」という音をずっと出していた。秋山氏はテーブルに置いたリゾネータ・ギター(例によって色々ミュートやプリペアしてあるようだったが、座ってた位置からは見えず)を、弓2本、日本刀(!)、長いバネなどで弾いていた。ドゥナー氏の演奏は相変わらずだが、このときは数種類のミュートをとっかえひっかえして音のバリエーションをつけていた。
こちらの演奏は、1stセットとは変わって、不穏なというか不吉な・不気味な感触の印象。ひとえに木下氏の音が人の不安をあおるような音だからではないか。ドゥナー氏も知ってか知らずか、遠くで犬が遠吠えしているような音を出してみたり。
前の演奏とのその対照が面白い。

4.日本人勢全員によるセッション
ここでは木下氏の演奏が特筆すべき美しさをみせた。弓の先端部(何というかは
不明)で弦を擦ってピチカートをするのだがこれが美しい。一方宇波氏はスピー
カーにアルミ箔やべにあ板を乗せて振動させ、暴力的な音を奏でる。大蔵氏もア
ルミをサックスのベルに載せて対抗(?)。
秋山氏は相変わらずギターをバネでひびかせたり色々と。

5.ドゥナー・グスタフソンDuo
こちらでは気心のしれたどおしのセッションといった感じで「やりますか」「ん
じゃぁ遠慮無く」みたいな感じで、けっこう二人とも本気モード。特にグスタフ
ソン氏のパワープレイ志向炸裂。聴いてると、まるでサックスのキーで鼓膜を叩
かれているような。
ドゥナー氏もいつになく気合いの入った演奏。いや凄い。

ということで、脚とお尻の痛みに耐えつつ大満足の一夜でした。